ラレコ山への道:国際交流員「目からウロコ」

ツーソン銃撃事件

2011年2月

 1月8日、アメリカのアリゾナ州ツーソン市のショッピングモールで、銃撃事件が発生しました。民主党のガブリエル・ギフォーズ下院議員の暗殺が目的であったそうですが、この事件で19人の市民や議員のスタッフが撃たれ、米連邦判事や9歳の女の子を含む6人が死亡しました。ギフォーズ議員は頭を撃たれて重体となりました。事件後、多くのアメリカ人がショックを受け、現在の政治抗争や銃規制に関する議論が始まりました。

 犯人のジャレッド・リー・ロフナー容疑者は現場で捕まりました。ロフナー容疑者は事件について黙秘しているので理由はまだ不明ですが、民主党に反対している政治家ラジオアナウンサーの極端な意見に影響されたではないかと、アリゾナ州ピマ郡保安官クラレンス・ダプニック氏が申し入れました。特に、サラ・ペアリン前アラスカ州知事は2010年の選挙の際選挙戦対抗馬を表すターゲットマップとして、ギフォーズを含む民主党候補をライフルの的でホームページに表現したことで強く批判されました。共和党やティー・パーティーの政治家がよく使う暴力的な言葉や画像が実際に暴力を起こす恐れがあると、様々な政治評論家が論じています。

 しかし、今回の事件が政治的な原因があるという証拠がまったくない上に、ロフナー容疑者が何かの精神障害を持っているように見えます。友だちや知り合いの話によると、ロフナー容疑者の様子がずいぶん前からおかしくなっていたようです。2010年10月まで近所の大学に通ったけれど、授業中での不適切な行為により強制休学になりました。大学のスタッフは精神鑑定を勧めましたが、ロフナー容疑者は検診を受けず退学しました。

 銃規制を求める政治家が事件の後にすぐ動きました。ロフナー容疑者が明らかに精神的な問題があったにも関わらず銃と弾を買えたので、多くの議員が現在の規制を強化する法案を準備しています。今でも精神障害を持っている人に銃を売ってはいけない法律がありますが、ロフナー容疑者が精神鑑定を受けたことがなかったので、精神障害者の名前が入っているデータベースには登録されていませんでした。

 ロフナー容疑者の裁判がもう始まりました。犯した罪が重くて、死刑の判決が出る可能性があります。逮捕以来、ロフナー容疑者が黙秘権を行使していますが、弁護士が裁判で容疑者の無罪を主張しました。

 こんな悲劇がアメリカで何回も起きています。2007年にバージニア工科大学にも銃乱射事件がありました。その事件も、なぜか銃をすんなり購入できた精神障害者によって、33人の犠牲者が出ました。こういう事件がなんで起きるか分からないけど、誰かのせいにするよりみんなで協力して、アメリカをもうちょっと平和な国にしてみた方がいいと思います。


目からウロコ

 毎年約1億人が観る大人気のアメリカンフットボール優勝決定戦「スーパーボール」が、今年2月6日に開催されます。今回のスーパーボールに私の地元のチームのグリーンベイ・パッカーズが出ます。13年ぶりにスーパーボールに出るので、とても楽しみにしています。時差のためライヴで見られないけれど、友だちとパーティーをしながらみんなで見たいです。

(2011年02月 COLARE TIMES 掲載)

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