ラレコ山への道:国際交流員「目からウロコ」

#05 気持ちを伝える

2019年2月

 今月はバレンタインデーがあるので、今回は「相手に感情を表現すること」について話したいと思います!

 「好きだ」「大好きだ」「愛している」この言葉を最近言ったことありますか?

 さぁ、最近言っていない人が少なくないと思います。日本人の友だちから聞いているのは、「告白の時以外、日本ではあまりそういうことを言わない」ということです。しかしその一方、アメリカでは子ども頃から「I love you」をほぼ毎日言われています。両親に、親戚に、友だちに……。しかし、私が日本のドラマを見る限り、主人公が重い病気でずっと一人で苦しんでいて、最期にやっと片思いの相手に想いを伝えるというような場面でしか、「愛している」という言葉を聞いていません。

 日本人が謙虚で、遠慮がちだということに対して、一方では、西欧人は積極的で本音建前がないとよく思われていますが。しかし、それは実際に合っているのでしょうか。

 日本人と西欧人を比較すると、その考えの一部が真実だと一般的に言えるかもしれません。表情で気持ちを伝える西欧人はいっぱいいて、生き生きと自分のことについて喋る人もいます。西欧では、表現力を重んじていると言えるでしょう。逆に感情を全然表さないと、性格、信用、意思のない人か冷たい人に見えるかもしれません。でも、感情を表すことと本音を出すことは違うと思います。同じような意味に聞こえるでしょうが、でも、感情を表すことが本当の気持ちが表現しているというわけではありません。そのうえ、気持ちを隠すために表現し過ぎるのを仮面のように用いて、本音をまったく言わない人もいます。

 もうひとつは文化の影響です。最近アメリカでは、ハイパーマスクリニティ(hypermasculinity)についての話題が多いです。ハイパーマスクリニティとは、「過剰な男らしさ」を意味する新語です。つまり、マッチョな肉体など、西欧の男性の理想とする特性を誇張し、何よりも体力自慢や攻撃性などを強調することです。そして、その中に含まれているのは、感情を表すことに対しての嫌悪です。あるアメリカや西欧人の男性は、怒り以外の感情を出すと女っぽく見えるという恐怖感を持っているので、本音を表すことはもちろんあり得ません。まあ、この考え方にそこまで同意しない人も多いですが、とにかく西欧の社会ではこういう極端な考え方の現象が感じられます。アメリカでは学校に入る頃から男の子は泣いたら叱られたり、自分の気持ちについて話すのは欠点だと言われていることがいい例です。

 最近では、気持ちを隠すことが身体や精神に対してどのような悪影響を与えるかについての研究がされています。その結果によると、ストレスがたまるため、心の負担だけではなく、胃痛、高血圧、不眠症など、体にもすごく悪い影響があるそうです。こういうことからも、自分の感情を伝える能力を向上させた方がいいと思います。もちろん、自分の気持ちをはっきり言うのは誰でも大変なことだと思います。でも、もし誰もができたなら、どこの結婚相談所もなくなってしまうかもしれません。相手に自分の気持ちや考え方を理解してもらう努力をすることにも価値があると、私は信じます。




[最近、目からウロコが落ちたこと……]
 11月に姉妹都市交流研修事業に参加した日本の生徒たちの感想文を英訳する仕事をしました。少し驚いたのは、ほとんどすべての感想文に「アメリカ人が積極的だ」という表現が相次いで出てきたことです。世界中で、アメリカ人がフレンドリーだと思われることは前から知っていましたが、積極的だという感じは今まであまりしていませんでした。私にとっては当たり前のことですが、参加した日本の生徒たちはそう感じたのでしょう。
 私は自分のことをシャイだと思っていましたが、生徒たちの感想文を読んでいるうちに、実は思ったより積極的なのかもと思うようになりました。

(2019年02月 COLARE TIMES 掲載)

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