ラレコ山への道 蝉丸 徒然日記

Vol.54 2017年冬 フランス

2017年7月

久しぶりに真冬のヨーロッパツアーとなり、1月2日に富山を出発して翌3日にパリの南、ソーという街に着きました。この街での公演は3年ぶり4回目です。今回の演目はツアーを通して「MEGURI」のみで、舞台装置は昨年の最終公演地ウィーンの物がそのまま来る予定でした。運送会社のトラックから劇場に搬入したところ、「TOBARI」の舞台装置が混ざっている上、平トラスが有りません。これは500kgのパネルを吊り上げ、照明3段桁吊りに必要な物で、このあと2ヶ月を超えるツアー全ての会場で必要になる物です。幸い運送会社の倉庫はこの町から2時間ほどの所に有るので、運転手と松岡が倉庫に向かいました。

劇場の名前は「Les Gemeaux」。レジェモーと言うのですが、英語のジェミニーと同じ双子という意味です。二つの街が一緒になってこの劇場を建設したので付けられた名前だそうです。黒部と宇奈月のような感じかな。1月6 – 8日公演。

最終日に八重桜で有名な公園を散歩していたら、車で通りかかった女性が「山海塾のダンサーでしょう」と声を掛けてきました。帽子とロングコート姿なのによく判るなと驚きました。行動には気を付けなくては。

蝉丸 徒然日記
次の公演地、モンペリエは10年ぶり6回目です。仕込の合間にワークショップをアゴラという場所で行ったのですが、その建物の中庭は17年前「HIYOMEKI」を上演した所でした。その時はまだ幼かった娘と妻が同行していたのですが、その時のエピソードを思い出しメールすると娘は良く覚えていて、その当時内心思っていたことなど返信してくれました。この時のことは2000年11月の COLARE TIMES に書いています。
劇場は「Le Corum-Opera Berlioz」、1月12・13日公演。

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3カ所目は8回目となるリヨンです。前回は「UMUSUNA」の世界初演を行いました。オペラの製作でも長期滞在したことがあるので、私にとっては東京、パリの次によく知っている街だと思います。そんなわけでほとんど観光に出かけなかったのですが、今回から参加している照明の小泉は女性ながら積極的に観光に出かけていました。劇場は「Maison de la Danse」、1月17 – 21日、5公演。

4カ所目は3回目となるクレルモン・フェラン(クレルモン市とモンフェラン市が合併)。リヨンから車で3時間の所でフランスのほぼ中央、オーベルニュ地方にある街で、ミシュランの本社があります。山海塾の音楽とビデオを制作しているアイオーファクトリーの吉川がリヨンからここまでツアーに同行し、劇場でDVDの販売を行いました。劇場は「Maison de la Culture(文化センター)」、1月24・25日公演。

スイス公演を挟んで2月から再びフランスに戻り、5カ所目、パリ近郊のセルジー・ポントワーズ(セルジーとポントワーズという街が自治体間連合となっている?)。この主催者との公演は4回目ですが、前回はパリ周辺で暴動が有り、この劇場も放火され急遽別の劇場で上演することになったのです。それは2006年の「HIBIKI」公演の時で、会場は隣町ブゾンとなり観客は元の劇場からバスで往復しました。今回は大きな問題も無く無事幕が開きました。劇場は「Theatre des Louvrais」、2月3日公演。翌日は休みだったのでパリまで遊びに行く人もいたのですが、鉄道のストライキで苦労した模様です。

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6カ所目、フランス最後の公演地は、車で2時間移動したカーン。5回目となるのですが、1回目は1980年で海外公演を始めたばかりでした。パリから1人で電車に乗り劇場に技術打ち合わせに行ったことを良く覚えています。かつての劇場は取り壊され新しくなりましたが主催者は同じです。舞踏というダンスはまだ知られてなく、舞台の仕込方法も違い、片言の英語とフランス語と描画で冷や汗をかきながら打ち合わせをしました。ノルマンディーの劇場技術者は厳つい髭面でしたがとても親切に、まだ若造の私に応対してくれました。この地方のリンゴから作るカルバドスという酒とカマンベールチーズは、その時から私の好物となりました。劇場は「Theatre de Caen」、2月8・9日公演。

ツアーは2週間の休みを挟んでまだ続くのですが、その間に私と松岡、百木はイタリアのポンテデーラで1週間の蝉丸ワークショップを行いました。パリの空港手荷物チェックで私の鞄の中から公演チラシを見つけた検査官は私の顔を見て、「山海塾のダンサーか」というので「そうだ」と答えると、「自分は山海塾のファンだ。テアトルドラビルで見た。今回はソーで公演したよね」と言いながら、でも手荷物検査を続けました。行動には気を付けなくては。


写真上)
フランス公演2カ所目、フランス南部に位置するモンペリエの劇場「Le Corum-Opera Berlioz」。モンペリエの街にはフランス屈指の歴史を誇るモンペリエ大学があり、中世からの学園都市である。第2次世界大戦では5回にわたりアメリカ軍の爆撃を被ったが、旧市街は今でも19世紀の姿をよく留めている。

写真中)
3カ所目、リヨンの劇場「Maison de la Danse」。リヨンは、フランスの南東部に位置する都市で、都市圏としてはフランス第2の規模を持つ。国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)の本部が置かれており、1996年にはサミットが行われた。旧市街はユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。

写真下)
6カ所目の公演地、フランスの北西部の都市「カーン」。フランスを代表する城下町のひとつ。中世からの歴史を持ち、城、修道院、教会などの歴史的建造物で知られる。1060年頃に建てられたカーン城は、西ヨーロッパでも最大級の中世城砦。

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