ラレコ山への道 小野木豊昭 古典空間への誘い

【其の九拾八】今まで通り

2019年2月
古典空間

春たてば 花とや見らむ 白雪の かかれる枝に うぐひすぞなく      素性法師(古今和歌集)
 [意訳]春が来たので、うぐいすは梅の枝に降りかかった白雪を梅の花が咲いた思って鳴いているのでしょうか。

 白雪を早春に咲く白梅の花に見立てることで、人のみならず、うぐいすも雪を梅の花と見間違えてしまう。イメージを重ね合わせるのは和歌ならではの手法。新春の季節感と春を待ちわびる人々の想いを表現しています。

 黒部での小中学校アウトリーチ、各地域の小中学校を訪れる文化庁「文化芸術による子供の育成事業」(学校巡回事業)をはじめとして、昨年も幼稚園から大学まで数多くの学校を訪れました。「伝えたい! 一緒に楽しみたい!」という熱い想いを抱くアーティストの皆さんと共に世代に即したプログラムをつくり、伝統文化の楽しさ、カッコよさを思い切り体感していただきました。今年も目指すは子供たちの笑顔のみです。

 江戸文化が息づく街・神楽坂。街を愛する地元の皆さまと共につくり上げる『神楽坂まち舞台・大江戸めぐり』。店舗、神社仏閣から路上まで……一線で活躍するアーティストの皆さんによる素晴らしい諸芸で埋め尽くされます。7年目を迎える本年は、5月11・12日に実施されます。

 引き続き、全国各地の自治体・公共ホールの皆さまと共に、地域発・地元の方々に向けた企画を立案してまいります。“継続”を旨に一歩一歩、伝統文化による「地域の価値再発見」のお手伝いと考えています。最近は1回の公演で終わることなく複数年にわたる「継続的な事業」、公演+ワークショップ+レクチャー&実演などの「複合型の事業」が増えつつあります。そのため、お付き合いする地域に頻繁に通い、地域の方々との関係を深め、その地域が本当に求める企画を地元の方々と共に創ってゆく……そんなプロセスにとても意義を感じています。3月9日には南砺市城端のじょうはな座で、曳山祭・庵唄のルーツと言われる江戸端唄をお伝えする企画の第2弾「邦楽ドラマ – 松廼屋おけい」の上演が予定されています。

 2011年3月震災直後、コラーレにもうかがった日本舞踊家集団・弧の会とも、伝統的な身体表現・日本舞踊の次世代への「普及と創造」を目指して“二人三脚”は続いています。子供たちへのワークショップ、そして地域の文化資産である歴史的な人物や事跡、祭礼などを舞踊化する作品をもって、3月には仙台、8月には小田原、秋以降は九州各地を訪れます。

 そして、2020年がいよいよ来年となりました。オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典であると同時に「文化」の祭典でもあります。ここに至り、“ようやく”ではありますが、数々の文化プログラムが実施されることになるでしょう。もちろんこの機会を大いに盛り上げて行きたく思います。しかし2020年はあくまでも「通過点」の一つに過ぎません。伝統芸能をいかに「楽しく、面白く、カッコよく……刺激的に」しかも間断なく世に問い続けられるか、教育機関と連携し、地域の方々と向き合いつつ、今年も“今まで通り”伝統芸能と時代との接点づくりに全力を注いで行く所存です。

 
[写真]日本舞踊家集団 弧の会「コノカイズム」




古典空間

文化庁「文化芸術による子供の育成事業」(学校巡回事業)


古典空間

神楽坂まち舞台・大江戸めぐり


古典空間

邦楽ドラマ「松廼家おけい」
日 時:2019年3月9日(土) 開演14:00
会 場:南砺市城端伝統芸能会館 じょうはな座

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