ラレコ山への道 小野木豊昭 古典空間への誘い

【其の壱拾六】大学で伝統芸能?

2001年1月
 あれよあれよという間にマジで21世紀になっちゃいました。でも私たちは取り立てて新しいことをするわけではありません。古典とか伝統とかの冠がくっついてしまったジャンルの芸能を、いかに楽しくカッコよく日常の延長上のフツーのこととして位 置づけていただくか、志を同じくするアーティストの皆さんと共に、相変わらずアーでもないコーでもないと試行錯誤と実験を繰り返し続けるわけです。今年も頑張ります。どうぞ宜しく御願い致します。

 さて、そんな私たちから新世紀第一弾の新鮮な話題として御紹介したいことがあります。プロフィールでも御紹介いただいていますが、現在、千葉大学文学部で授業を受け持っています。昨年度は講義でしたが、今年度は演習を担当する事になりました。 『日本文化調査演習b』という授業で、学生自身がプロデューサーになって実際に伝統芸能公演を実現させてしまおうというものです。プロデュースという仕事に対して魅力を感じるせいか受講希望者が多く、演習を成立させるためにオーディションを実施して16名のチームを結成。しかし、いざ伝統芸能となるとお手上げという世代。何のために、誰に向けて、どんなアーティストを使って、どのくらいの経費をかけて、どのような公演を行うのかという企画・コンセプト作りから始まりました。大いに軌道修正が必要でしたが、そこはオーディションで集まった学生たち、数ヶ月に渡って様々な伝統芸能公演を観て歩き、議論に議論を重ねた上、最終的には長唄三味線の<伝の会>と和太鼓の<打究人>を選択しジョイントライヴを行うことになりました。タイトル決め、チラシ・ポスター作り、メディアへの告知、チケットの営業、演出プラン、スタッフとの打合せ等々、毎回の授業がまさに“制作会議”です。チラシに彼らが謳った文章を、抜粋ですが見てやって下さい。

 「……この演習は、今や日常生活から離れたものになりつつある日本の伝統芸能を見直し、少しでも多くの方々に身近に感じていただく機会を設けるため、大学生が伝統芸能の最先端で活躍している出演者・スタッフと共に『邦楽公演』を実現するものです。私たち大学生が企画・制作を行うことによって、若い世代の視点を取り入れ、伝統芸能になじみの薄い方々にも新たな日本の伝統文化の魅力を伝える契機を提供することをめざしています。加えて、地域に開かれた存在としての大学の可能性を模索します。本公演にさきがけて行ったアンケート調査の結果 、および企画・制作の過程で得られた成果は……(中略)平成12年度千葉市・大学等地域連携推進事業補助金<千葉市>を受けて行なう『伝統芸能公演を通 した千葉市内の公共ホールの高度利用に関する実証的研究』として発表いたします。大学生とプロの出演者・スタッフの協力による『新しい伝統芸能・文化発信』の試みをぜひ、2001年2月17日、会場にてご覧下さい。-ニホンノヒビキ制作委員会-」伝統芸能の世界へ“プロデュース”の側面 からの新たなアプローチ。新世紀、確実に風が吹き始めています。

(2001年01月 COLARE TIMES 掲載)
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