ラレコ山への道:国際交流員「目からウロコ」
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COLARE TIMES
Sur la route des vacances…(遊休の旅路を行きながら)
2014年7月
「Sur la route des vacances…」という言葉は、フランス語圏でよく使われている表現です。フランスでは夏休みになると、正社員は1ヶ月間の有給休暇を取り、のんびりできるところに行きます。カナダではどうでしょう。カナダは各州によって違うので、私が育ったケベック州の夏休みの過ごし方を紹介したいと思います。
■ 夏休み開始!
夏休みが始まるのは6月24日、ケベック州民の日からです。その前には義務教育の学年が終わって、修了式や卒業式があります。そして6月23日と24日、ケベック州民の祭りが開催されます。
■ 生徒と先生
修了式や卒業式が終わると、学校はずっと休みになります。生徒は8月下旬まで、2ヶ月間の休みです。部活はどうなるでしょう?学校内で行わなくて自治体立のことなので、普通に参加します。特定の部活に参加していない子ども(私はその一人でした)は、何をして遊ぶか自分で決めて、いろんな毎日を過ごします。両親がなかなか世話できない子どもの場合は、自治体が運営する「昼キャンプ」というものもあります。安全な環境の中でいろんな遊びをしたり、みんなで日常生活を体験するところです。それから、都会ではプール、田舎では湖へ泳ぎに行く子どもが多いです。新しい学年になる前の休みなので、学校の宿題などはまったくありません。
先生も1ヶ月以上の有給休暇を取ります。そして8月上旬から、新学年の準備と研修会などをします。新学年の始まり(8月20日以降の最初月曜日)までは、生徒とは接しません。
■ 会社員や公務員
子どもたちが休みの間、会社員と公務員には、2週間程度の有給休暇を取る権利があります。大多数の会社員は、7月の最後の2週間を休みます。一番天気が良くて暑い時期だからです。その期間は旅行をする家族が多くて、観光地はいつも人でいっぱいです。私はその時期、父親とその友だちと二人の子どもたちと一緒に、森のキャンプ場で1週間過ごす習慣がありました。カヌーで湖に行くのをいつも楽しみにしていました。
休みを取らない人たちも、その期間は日常と違う過ごし方をします。家から離れ、涼しい郊外の別荘やキャンピングカーで生活しながら、都会まで毎日出勤します。
海外旅行をする人たちもいますが、その場合は1ヶ月間休職をする人が多いです。観光だけではなく、できるだけその地域の文化をふれるためなので、2週間の休暇では足りないのです。日本に来る人も多いですよ。ちなみに、沖縄のような海には行きません。それは夏ではなく、冬休みの行き先候補となります。
■ 高校生と大学生
義務教育でない高校と大学の夏休みは違います。高校は5月下旬に、大学は4月下旬に、学年が終わります。8月下旬までずっと休む人もいますが、大多数の高校生と大学生は(かなり安い)学費を払うために、3ヶ月か4ヶ月間のバイトをします。1年中バイトをする人もいて、その場合は正社員と同じく、2週間の有給休暇を取ります。
■ 天候
日本の梅雨という季節は、カナダにはありません。ケベック州の場合、6月に入ると、メキシコ湾から風が強く吹き、蒸し暑くなります。30℃を超える日がたくさんあります。ですが、特に湿度が高い、特別な天候の日があります。まず昼は蒸し暑くなって、富山と同じような真夏日になります。その日か数日後に、前線がやってきます。夕方に激しい嵐になって、雷が鳴り響き雨がザーザーと降りますが、30分程度で終わるのが普通です。その後は、湿度が下がり、温度も落ち着き、気持ちのいい夜になります。すると人々はレストランのテラスに行って、おいしい晩ご飯やデザートを食べながら、街の夜景を眺めます。夏の終わりを告げるその時期は、私の誕生日(9月上旬)の頃です。
■ 行事
夏休みになると、州のあちこちでたくさんの祭りが開催されます。大都会である私の地元のモントリオールでは、毎日どこかでお祭りがあります。大きな祭りでは、モントリオール国際ジャズ音楽祭、「笑うためだけ」というお笑いの祭り、「フランコフォリー」という国際フランス語音楽祭などがあります。他にもたくさんあります。
地方の場合は、地元の歴史や名産や伝統文化などを祝うための祭りがたくさん開催されます。毎日、州中のどこかでそういう祭りがあるのです。
その他、各町では「夏劇」という劇が6月から8月まで公演されます。内容はコメディーみたいなことで、日常生活を笑うことが多いです。途方もない話もあります。気軽に一晩楽しむには、ちょうどよい内容です。夏劇は毎年変わるので、いつも新しい話を見ることができます。
■ 夏は遊び
ケベック州の夏は、暑いです。水とのつながりが強い地域なので、水遊びが多いです。でも、ケベック州民にとって、「夏」とは「遊ぶ季節」です。とても寒い冬を過ごして、仕事や勉強が大変な春を乗り越えるので、夏になると、みんな遊びたくなります。ですから、遊べるところがたくさん用意されています。そして日本と違って、できるだけ身近なところに設置されます。いつでも遊べるように。
コラーレのキーボードオーケストラに参加しています。シンセサイザーも演奏しますが、電子ドラムも演奏します。がんばって、やっときれいに組み立てられました!
6月に、富山市で食べたお刺身です。一番好きな日本の食べ物は納豆ですが、日本食の魅力はやっぱり刺身ですね。魚の味が大好きな私にとっては、まるで天国みたいです。
6月24日、ケベック州民の日とカナディエン民族の日を記念して、フランス語の入門講座を開催しました。まず世界でフランス語が話されている範囲を紹介してから、フランス語の基礎発音といくつかの基礎文法を説明しました。最後にカナダのフランス語の特徴も紹介しました。
(2014年07月 COLARE TIMES 掲載)