ラレコ山への道:国際交流員「目からウロコ」

アメリカと日本のお正月

2009年2月

 黒部で働いているほぼ3年の間、日本の文化をじかに体験する機会が毎日いくつもあります。自分の文化とまったく違う環境で暮らしているので、それが当たり前かもしれませんが、日本とアメリカの違いをいつもより強く感じる時があります。それは、お正月です。

 アメリカのお正月も祝日ですが、伝統的な習慣や祝い方がほとんどありません。もともとキリスト教にとって1月1日は大切な日だったので、昔は教会で祝う人が多くいました。しかし20世紀になると宗教の意味がなくなり、カウントダウンパーティーが主なお祝いになってきました。現在の大晦日は深夜まで遊び、お正月の日中は家でのんびりすることが普通です。1月1日にはパレードやアメリカンフットボールの放送が多いので、1日中家を出ないで、ずっとテレビを見る人も少なくありません。アメリカでは、大晦日はお正月より楽しみにされていますが、家族で過ごすより友だちと一緒に遊ぶのは普通です。都会だったら大きい集まりがいくつもあり、バーなどでも人の家でもパーティーがたくさんあります。その中で一番有名な集まりは、ニューヨーク市のカウントダウンパーティーです。そのパーティーではみんな、23:59から少しずつ下がっていく大きなボールを見ながら、来年までの時間を数えます。テレビで見る人も多く、同じアメリカにも3時間の時差があるので、そのボール落としを3回繰り返します。

 現在のアメリカにはお正月の習慣があまりないと言いいましたが、ひとつぐらいはあります。新しい年になって、自分の生活を改善するために、ニュー・イヤー・レゾルーション(New Year’s resolution)という約束をします。「今年は毎週3回ジムに行く」とか「何キロやせる」とか健康的な約束をする人は特に多いですが、どんな約束でもいいです。でも、約束を守る人はけっこう少ないです。

 一方、日本にはお正月には伝統的な習慣が今でもたくさんあります。御節料理やお雑煮を食べること、年賀状を送ること、初詣に行くことなど、多くの日本人が毎年いろいろなお祝いをしています。アメリカ人の私にとって、とても不思議な時期です。今年、私は日本人の彼女の家族と一緒に過ごしたので、日本のお正月をちゃんと体験できました。アメリカと全然違うけど、楽しかったです。

 もうひとつの大きい違いは挨拶です。新年の挨拶は日本ではすごく大切にされています。年末年始が過ぎ、仕事や学校に行ったら、みんな必ず挨拶を言います。友だちにも、家族にも、知り合いにも、新年初めて会ったら言います。アメリカにも「ハッピーニューイヤー」という「明けましておめでとうございます」と同じ意味の挨拶があります。しかしアメリカ人は、1月1日かその数日後にしか挨拶を言いません。それに、全然言わなくてもおかしくないのです。

 日本のお正月はアメリカとは違いますが、私は日本の方がいいと思います。大きいパーティーがあまり好きじゃないので、アメリカにいた時はほとんど毎年、大晦日をひとりで過ごしてしまいました。やっぱり、家族で楽しく過ごすお正月が一番だと思います。


目からウロコ

 年末に餅つきをしました。保育所で何回も体験したことがありますが、今回は彼女の家族と一緒にしました。餅つきは大変ですね! 本気でやったら、意外と疲れてしまいました。まだまだ下手ですが、次回はもうちょっと役に立てるようにがんばります。

(2009年02月 COLARE TIMES 掲載)

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