ユーゴ・ラシャペル #33

日本の魅力(7)日本語の魅力
 
 今回は「日本の魅力」の最終回、「日本語」について書きます。
 私がなぜ日本語を勉強したか、まだ述べたことがありませんでしたね。日本語の勉強をはじめる人の多くは、日本の伝統や技術などに興味があったり、最近では漫画やアニメやドラマがきっかけとなる人も少なくありません。しかし私が日本語を勉強したのは、そんな理由からではありませんでした。

■ 初めての日本語
 初めて日本語に出会ったのは、日本の高校2年生に当たる年、私が地元の中学校の最終学年のときでした。同級生が日本の漫画みたいなものを描いていたので、日本語について少し話をしました。これが初めての日本語との接触ですが、このときはそれ以上の発展はさほどありませんでした。

■ 高校での外国語選択
 中学校を卒業して、高校に進学しました。私の高校では英語点検試験があり、90%以上なら英語の授業が一部免除され、その代わりに他の外国語を勉強しなければいけません。私は無事に90%以上を取得したので、他の言語を選択しないといけません。選択できるのは、スペイン語、ドイツ語、日本語の3ヶ国語だけ。スペイン語は中学校で勉強したことがあったのですが興味を持てず、ドイツ語は英語とフランス語によく似ているといわれ退屈に感じたのでやめました。すると、日本語が残りました。
 日本語の最初の授業は、ひらがなの習得です。2回目ではカタカナを……つまり、2週間で日本語の基礎の文字を習得しなければいけません。当時の私にとって日本語は面白みのある言語でしたが、勉強しても役に立つかどうか疑っていました。日本について特に興味がなかったので、日本語を生かす方法はないと思っていたのです。

■ 友人からの誘い
 当時、私の高校では日本語を勉強する人はあまりおらず、多くて15人しかいませんでした。そうすると、日本語を勉強している人は変わった人だと見られます。また、周りからの思い込みもあります。日本の武道とかアニメとか、何か絶対に興味を持っていると思われます。ある日、そう思い込んでいる人にアニメ映画の鑑賞に誘われ、時間があったので行くことにしました。
 上映されたアニメは3つで、すべて英語の字幕付き。そのうちの1本に、「ロードス島戦記」という映画がありました。そして私は、そのオープニング曲「奇跡の海」と出会ってしまったのです。この歌のリズムは穏やかですごくやわらかく感じました。言葉はちっともわかりませんでしたが、リズムとメロディーだけで気に入りました。これが、私の日本語との本当の出会いです。

■ きっかけをつかんで
 アニメ上映会後、あの歌を探し出し、見つけました。その後3ヶ月間も、同じ歌を毎日連続で部屋に流して聞きました。両親が嫌がるくらいでした。それがきっかけで他の歌も聴くようになり、日本語に少しずつなじみが出てきました。流れる曲と一緒に歌い始めて1年半で日本語らしい発音を習得しました。そして次は、その歌の意味も知りたくなり、本格的に日本語の勉強をしました。その後は日本語の面白いところをたくさん発見しながら、日本語を習得していきました。

■ 日本語を大事にして
 日本語を大事にしてください。日本語は日本だけの特別な言葉ですからね。しかしそれによって「言語の壁」ができることも事実です。これは私の地元カナダにもある壁です。外との交流はもちろん難しくなります。だけど、日本語はきれいな言語です。海外からの影響を受けたり、変更しなければいけない点も出てくるかもしれません。それでも、日本の特別の言語「日本語」を大事にしてください。壁には、欠点しかないわけではないですから。

(2015年08月 COLARE TIMES 掲載)



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