ユーゴ・ラシャペル #25

「水遊び」の違い
 
 去年の夏、『カナダの水遊び』という企画を立てました。私の地元、カナダのケベック州を代表する「水の滑り台」というものを作って、子どもたちと遊ぶことを提案しました。担当者に相談したら、私には少し理解できない問題が出てきました。「コラーレにはシャワーがないから、難しいんじゃないかな。汚れて濡れたままの恰好だと、保護者も困るかも」とのことです。そのとき頭に浮かんだのは、「家に帰ってシャワーを浴びればいいのではないか!?」ということでした。日本とケベック州では考え方が違うのかなと思いました。結局、水に濡れたくない子どもも遊べる方法で、滑り台を楽しみました。
 あれから1年が経ちました。今年初めて、暑い夏に黒部市内の保育所を訪問しています。天気が良いと子どもたちは水で遊びたがるので、そんな日は水着を持って行って、通常の活動(世界の国の遊び挨拶、英語の歌を合唱するなど)を終えてから、一緒に水遊びをすることにしました。そうしているうちに、水遊びについて、地元と違うところがたくさんあることに気付きました。
 まずは『水着』。日本では、水着と洋服をちゃんと区別しています。ケベック州でも同じような区別がありますが、日本と少し違います。仕事のない暑い日には、洋服としても着られる水着を着て生活しています。男性は早く乾く半ズボンを、女性は下着の代わりにビキニやワンピースの水着を着ます。水遊びをする合図は、着替えではなく、シャツを脱ぐ瞬間です。シャツを脱いだとたん、水遊びが始まります。日本の普段の生活で、私はそんな風景を今まで見たことがありません。
 次は『水遊びの意味』。「水遊び」というと、日本では水を使って遊ぶこと全部を指しますが、カナダのケベック州では水の中で遊ぶことだけを言います。例えば日本では、石鹸を使って泡を作ったり、水に色を付けて楽しむことも「水遊び」といいますが、地元ではそれらを水遊びといいません。水はもったいないので、水を汚くすることはありません。地元で言う水遊びは、基本的に水の中で遊ぶことです。自然が近い地域だと海や湖や川の中で、都会だと自宅のプールや公立プールで遊びます。他には、水滑り台や波プールなど、水を使った水遊園地に遊びに行く人も少なくありません。水遊びの大事なルールは、水を汚さないこと。飲めるほどまでとは言いませんが、お風呂として入れるくらいじゃないと、水遊びは禁止です。
 きれいな水を使うので、小さな頃、父と「夏の風呂」という習慣がありました。夜になると、まず自宅プールで5分くらい水泳をします。泳いだらプールから出て、石鹸で体を洗います。体の泡は、プールから汲んだバケツの水で何度も流します。泡がなくなったら、もう一度プールに入って5分程水泳をします。熱いお湯が苦手な私にとって、この「夏の風呂」という習慣は最高の風呂で、いつも楽しみにしていました。
 そしてもうひとつ、日本とケベック州との違いは、『水遊びのあと』です。ケベック州では、公立プールや水遊園地で遊び終わったら、水着を着たままシャワーを浴びます。でも湖や川や自宅プールの場合は、泳いでいた水がきれいなので、シャワーを浴びません。それから日本では、水着を脱いですぐに着替えをする人が多いでしょう? 私の地元では、体はタオルで拭きますが、水着は着たまま乾かすのが一般的です。早く水着を乾かすために、太陽が当たる場所で休んだりもします。半渇きの水着でどこかへ座るときは、タオルを敷いて座ります。

 私の民族は、水とのつながりがとても深い民族です。道路ではなく、船で川を渡るのが昔からの交通手段です。工業化される前、地元の川の水はとても清らかだったので、沸騰もさせずにそのまま飲むのが一般的でした。ケベック州の中心は、とても大きな河、セント・ローレンス川(フランス語で「大河」という意味)に沿って発展しました。水が豊かな土地です。その水を大事にすることを忘れないように、フランスから渡ってきた先祖が持ってきた伝統の歌があります。

A la claire fontaine, m'en allant promener. 清い泉のほとりを歩いていた
J’ai trouve l’eau si belle, que je m’y suis baigne. 美しい水なので中に入った
Il y a longtemps que je t’aime, jamais je ne t’oublierai. 昔から好きだ、忘れはしない

「日本語教室 in 黒部」のみんなと一緒に、心肺蘇生法の研修を受けました。「日本語教室 in 黒部」は、地域に住んでいる外国出身の人たちの日本語を上達するお手伝いをしています。私はボランティアとして参加しています。いろんな国の人と出会えるし、会話は全部日本語なので、私にとってとても心地いいところです。

8月は友だち3人に会いました。下の写真は、現在東京に住んでいるイギリスのスコットランド出身の友だちです。生地の海岸から、宇奈月温泉「とちの湯」まで行ってきました。下は8月1日に撮った写真で、魚津の夕焼けです。この日、福井県から自転車で来た友だちを、自転車で小杉駅まで迎えに行きました。合流した後、二人で自転車で黒部に戻りました。往復で100km、5時間も走りました。

(2014年09月 COLARE TIMES 掲載)



「COLARE TIMES 編集室」へ ― 「ラレコ山への道」トップページへ ― ホームへ