ユーゴ・ラシャペル #20

Je me souviens (2)(ジュ・ム・スヴィエン)(覚えている)
 
 今年の2月号で、年末年始にカナダへ一旦帰郷したときの話を書きました。その中で、私はこう書きました。「友だちの中で、特に一人といろいろ話ができて、会えてちょうどよかったです。日本の経験や将来についてなど、たくさん話をできました。その友だちと会えたことで、ケベック州のモットー“Je me souviens(私は覚えている)”の意味がもう一度分かりました」と。

 昨年度を振り返ってみると、覚えている記事がいろいろあります。特に4月号の「ハロー」の挨拶と12月号のマンデラ氏についての記事ですね。

 日本に来てから、楽しいことはたくさんありました。日本のいいところをもう一度感じることもできました。公共交通を使っての移動、周りの人の優しさ、子どものおとなしさなど、とてもうれしかったです。黒部市は田舎だといわれても、私には田舎の感じはしません。東布施や宇奈月の方は少し不便ですが、生まれたカナダの田舎よりずっと便利だと思います。

 海も森も山も近いので、自然の中にいたいと思ったらすぐにいけるし、好きな都会にいたいときは富山市や金沢市に電車で簡単に行けるから、楽しいです。見慣れた大都市の東京までは遠いですが、夜行バスで遊びに行くこともできてうれしいです。TRPG(テーブル・ロールプレイング/2013年9月号参照)の団体も見つけたし、4月からはコラーレのキーボードオーケストラに参加することになり、楽しいことと友だちもできたかなと思います。

 食べ物は別に問題ありません。日本語は来日する前に勉強したので、日常生活は簡単です。でも、つらいこともあります。日本で医者からもらう薬は、私にとっては問題です。日本の薬は効き目が弱くて、飲んでもなかなか治りません。喘息である私は、風邪を引いたら大変なことになってしまいます。でも今後は、カナダから強い薬を送ってもらうことにしたので、ちゃんと効く薬を飲んで、元気よく仕事ができるようになると思います。

 そして、残念なことに、カルチャーショックを感じました。それは、人と会うときの態度です。会った人みんなとは言いませんが、人と会ったとき、不快に感じることが結構ありました。黒部市に来たばかりのとき、国際交流員として仕事をしながらも、普通の市民として生活したいと思っていました。カナダで生まれ育ってきたので、もちろん積み重ねてきた経験などは違いますが、一緒に市民同士として共生できると思っていました。しかし、黒部市では今でもなかなかできていません。

 どこかに出かけると、すぐ英語で挨拶されたり、電車の中で混んでいても、私の隣に誰も座らなかったり、ここの市民じゃない気がします。仕事以外では、外にあまり出たくない気持ちになります。ここに住んでいてもなかなか普通の市民になれないこと……私のカルチャーショックです。モントリオールでは、住んだら市民になることが当たり前なのに、黒部市ではそうじゃないことが多いということを感じて、少し悲しくなりました。

 でも、TRPGの会には、できるだけ行こうと思っています。そこでは、カルチャーショックをまったく感じないからです。3月にコラーレで開催されたワールドフェスティバル「Earth Moving」でもカルチャーショックをほとんど感じず、とても楽しく参加できました。TRPGの会や Earth Moving は、他と何が違うのでしょうか? それは、普通に他の参加者と同じように参加できているからだと思います。私が参加しても驚かずに、何も変わらずに、特別扱いせずに受け入れてくれているからでしょう。そうしてくれれば、うれしくてうれしくて、楽しく参加できるのです。今後、そんなところが増えていけば、私の生活も他の外国生まれの人たちの生活も、もっと楽しくなるかなと思っています。

 3月8日と9日、コラーレのワールドフェスティバル「Earth Moving」に、ボランティアとして参加しました。今年はベトナムを紹介しました。私はミニ体験コーナーでお客さんと触れ合ったり、雑貨やカフェの販売をしたりしました。いろいろ手伝って、とても楽してうれしかったです。せっかくなので、スタッフとしてではなく、受講者としてベトナム語の入門講座にも参加しました。
 フェスティバルが終わってから、ボランティアスタッフの打ち上げがありました。私はくじびきでベトナム航空のペーパークラフトが当たりました。それはフェスティバルの間、飾ってあった紙飛行機で、組み立てるのに何日もかかったそうです。ボランティアの皆さん、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。
 

 
 3月17日、宇奈月国際会館セレネで講演しました。海外から来られた観光客の「お・も・て・な・し」について、話をしました。50名以上も受講していただいて、NHKも取材に来てくれて、とても盛り上がりました。少し緊張しましたが、無事に終わってうれしいです。
 
 3月21日、コラーレで「シュガーシャックのパーティー」を開催しました。フランス語で「Repas de cabane a sucre(ルパ・ドゥ・カバナスクル)」と言います。カナダのケベック州で、メープルシロップを作る時期である3月に食べる料理を作りました。地元には、メープルシロップを使って作る料理はたくさんあります。
 私は正午から準備をはじめ、14時から参加者と一緒に料理をし、18時からバイキング形式で食べました。おいしかったです!

(2014年04月 COLARE TIMES 掲載)



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