ユーゴ・ラシャペル #14

Des bonbons s'il-vous-plait!
デー・ボンボン・シルヴプレー!(お菓子をください!)
 
 Des bonbons s'il-vous-plait!...私にとっては懐かしい言葉ですね。毎年10月31日のハロウィンを楽しみにしています。変装して、町を歩きながら、周りの家を訪れてお菓子をもらうのがずっと大好きでした。

 ハロウィンでは「Trick or treat(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!)」という言葉じゃなかったっけ? と言いたいでしょう? でも私は日本に来る前に、そういう表現を1回もしたことがありませんでした。ハロウィンは英語圏だけの祭りではありません。もともとはアイルランドからのお祭りで、英語ではなくアイルランド語でした。

 昔、アイルランドはカナダのケベック州と同じように英国に攻められて、英国の一部でした。そして、アイルランドでジャガイモ飢饉があったため、多くのアイルランド人は北米に移民しました。もちろん、ハロウィンの伝統も一緒に持って……。ちなみにアメリカの元大統領ケネディ家はこの移民の子孫です。移民した当時のアイルランド人は英国民族でしたが、宗教はほかの英国と違い、カトリックでした。北米の英語圏に移住したアイルランドのハロウィンは、「Trick or treat!」となりました。しかし、フランス語圏に移民したアイルランド人は、同じカトリックであるフランス系カナダ人に溶け込み、フランス語話者になって、ハロウィンの習慣を伝えました。そうすると、フランス語である「Des bonbons s'il-vous-plait!」という表現を使って町を巡るようになりました。

 ハロウィンは1年の祝祭日の中で、私が1番好きな祝日です。クリスマスにたくさんのプレゼントをもらったり、イースターにやっと春を迎えたりと、世界中のいろいろな祝日を楽しんでますが、やっぱりハロウィンは私にとって特別な祝日です。

 元々アイルランドでは、ハロウィンは日本のお盆に当たる日でした。1晩戻ってくる先祖の魂を迎える日です。日本と違うのは、昔のアイルランド人は先祖の魂を怖がっていたところです。中身をくり抜いたかぼちゃに怖い顔を掘って、できるだけ防ごうとしていました。子どもは変装して、怖い幽霊を逃げさせてくれるといわれていたので、子どもにお菓子を与えました。

 私はお菓子がちょっと苦手です。チョコレートならまだ食べられますが、しょっぱいお菓子はあまり食べません。ですが、変装することが大好きです。私は1年中、周りの期待に沿って普通の格好で生活していますが、ハロウィンのたった1日は期待に応じず好きな格好をし、本当の自分で生活できます。アメリカの『バフィー』というドラマで、「周りの人に変な目で見られないで自分の好きな格好で1日過ごせるから、恥ずかしくても好きな格好を着てみな!」というセリフがあります。ハロウィンで私は毎年、違う格好をしてみます。去年は、ライヴRPGの格好で黒部市の保育所をまわりました。今年はどうなるでしょう。楽しみにしてください。



 ハロウィンの日以外も仮装できました! 湯の町ふれあい音楽祭モーツァルト@うなづきで、3日間、モーツァルトの格好をして町を巡りました。Guten Tag!(グーテンターク=こんにちは)。来年は演奏もしようかな……。

 

 

(2013年10月 COLARE TIMES 掲載)



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