ユーゴ・ラシャペル #09

希望者の夢 〜エスペラント語の世界
 
 先月、「krokodili」という言葉を紹介しました。語源は、英語ではなく、母国語のフランス語でもなく、Esperanto(エスペラント語)という人工言語です。私が最初に勉強した外国語です。外国語と言っても、エスペラント語は、地元になる地域がありません。ポーランドで初めて話されましたが、現在、大部分の話者は中国出身で、最近ブラジル人の話者も増加してきました。北朝鮮以外、各国に話者が最低何人かいます。Esperanto とはあだ名で、公式は「La Internacia Lingvo」、つまり「世界共通語」といいます。ちなみに北朝鮮ではエスペラント語が禁止されています。あそこへは私は絶対に旅行しません。

■希望者博士(Doktoro Esperanto)のザメンホフ先生
 エスペラント語は、人工言語です。つまり、人が創造した言葉です。125年前にポーランド出身の眼科医者のザメンホフ先生(当時28歳)が創案しました。当時、先生の地元のビャウィストク市で話されていた言語の数が非常に多かったため、できるだけ簡単な言語を作って、多文化交流をもっと簡単にしたいという希望を持っていました。先生が創案してから世界中に広がり、その希望を受け継いだ人は現在100万人以上いるそうです。私はその一人で、日本にもかなりいます。

■言語学者から見ると
 どの言語にも、発音、語彙、文法があります。エスペラント語の発音は、母音がラテン語に近く、子音がドイツ語に近いです。基礎語彙は、ラテン語(70%)、ドイツ語(20%)、ロシア語(10%)と、混合です。文法はヨーロッパの言語のようではなく、活用が少ない日本語みたいに語尾や語頭を重ねる文法です。例外が少ないので、習った文法は間違えず使えるようになり、基本の勉強は速く進みます。でも一番簡単なところはその基礎ではなく、会話と表現です。英語や日本語の場合、決められた表現が多くありますが、エスペラント語の場合はほとんどなく、自由に表現が作れます。会話のコツは基本の意味を伝えようとすることです。そうしたら、言語があまり得意でない人まで1年で会話できるようになります。日本人でも!

■私とエスペラント語のかかわり
 12歳のとき、エスペラント語とは関係がないスペイン語とフランス語の辞書をインターネットで探していたところ、エスペラント語を発見し勉強しはめました。1ヶ月ぐらいで基礎の文法や語彙を習得、インターネットを使って会話しはじめました。18歳になった時、ケベック州エスペラント語学会に行って、初めての発声の会話になりました。その間、インターネットでの会話を続けて、いろんな国からの人と会話できました。その中に日本人が一人いましたが、私が日本語を勉強しはじめた理由とは関係がありません。
 私がエスペラント語を勉強した理由は、いろんな人と会話したいからです。エスペラント語を紹介するより実際に使う方が好きで、こんな記事を書くのは初めてです。でも去年の8月に日本に来てから、実際に使える機会がいくつかありました。去年の年末に「東亜共通研修会」に参加し、日本と韓国とベトナムの方と交流でき、終わったら、東京でロシア人の家族ととても楽しい3日間を過ごさせてもらいました。3月末には、東京から二人の友人が遊びに来て、その二人に黒部市をエスペラント語で紹介しました。そして私は、4月1日から日本青年エスペラント連絡会の編集担当になりました。


■日本人とエスペラント語
 3月に、日本人のエスペラント語話者の友だちが黒部に遊びに来ました。その人たちにエスペラント語とのゆかりを訊いてみたら、二人とも英語がダメだそうです。一人は「大学で英語を頑張ってもダメだったけれど、『外国に行きたいから何かをしないと』と思って、エスペラント語にした」と語りました。勉強し始めた年に、キューバで全世界エスペラント研修会が開かれる予定だったので、エスペラント語を何ヶ月かで一生懸命勉強して遊びに行ったと言っていました。二人目も同じようでしたが、キューバの代わりにベトナムでした。
 二人とも早く話せるようになってから2〜3年ぐらい経ち、今年は私と完全にエスペラント語で交流できました。ちなみに黒部で二人を案内するのが私だったので、三人でエスペラント語で話すと決めました。店で注文したりするのは私だったので、黒部の人には意外なことになっていたと思いますね。
他の日本人に訊いたらみんな同じようだったそうです。そしてエスペラント語を超えて、他の言語を勉強する人もいました。


■語学修得のコツの一つ
 言語学と日本語を勉強した私には、語学を修得するコツをたくさん学びました。近い将来、コラーレで語学のコツについての発表をしたいと思います。そして、エスペラント語はそのひとつだと思います。日本語は英仏語と全く違います。文法と語彙はもちろんですが、表現も非常に変わります。しかし、エスペラント語の表現方法の自由さを通して、日本語における表現をより早く理解し、より早く身につけたと思います。ほかにも、簡単なエスペラント語の勉強をすることで、言語学の用語を習ってきて、どの言語も少し簡単になりました。
 同時に、変わった世界中の平等な国際交流ができ、エスペラント語はとても素晴らしいと思います。
 

 エスペラント語の友だちと一緒に寿司を食べました。どんどん寿司が無くなりました。
 ベートーヴェンの「第九」の合唱を練習中。5月19日、コラーレで開催される「名水の里 第九コンサート」に出演します。皆さん、ぜひ聴きにきてください。

(2013年05月 COLARE TIMES 掲載)



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