ユーゴ・ラシャペル #04

Dies Natalis Solis Invicti「不敗の太陽の誕生日」
 
 1年の最後、12月。私の家族にとって最も重要な祝日、クリスマスの時期です。今回は、クリスマスの由来について調べてみました。

 クリスマスはキリスト教の祝日ですが、西暦300年までキリスト教徒は祝いませんでした。また、この日はキリストの誕生日として祝われていますが、聖書によれば、キリストは冬に生まれなかったそうです。とにかく、最初はキリスト教と関係なかったようですね。一説によると、ローマ帝国の終期の最も重要な神(Sol、御陽様)の誕生の日の祝いだったとか。タイトルにあるラテン語「Dies Natalis Solis Invicti(不敗の太陽の誕生日)」という日です。しかし一方、学者によると、その日はそんなに祝われてなかったようですが、クリスマスは同じ頃に祝い始めたそうです。昔のヨーロッパでは、冬至の頃にたくさんの祝日があったようですし、クリスマスはその中から来ているのかもしれません。例えば、北欧では「Yule(ユール、冬至祭)」という昔からの祝いがあって、村人が集まって宴を開催していたそうです。今のクリスマスツリーの習慣は、その祝いからだそうです。

 クリスマスの由来を調べた後、11月10日と11日に、富山市で開催された「極真空手道世界大会」で通訳をしました。そこで、私の地元、カナダのケベック州から来た人がいたので、文化のことなど、少し話をしました(もちろんフランス語で)。地元(ケベック州)は多文化共生主義のため、いろんな国からの移民が一緒に住むようになりました。でも最近、昔から伝わっているケベック州の行事などに違反する人数が増加してきたそうです。例えばクリスマスの場合、「キリスト教らしすぎだ」という文句がよく出るそうです。会話していた相手は残念だと述べました。私は同意して、日本の祝い方をこう述べました。

「先週の金曜日に訪問した幼稚園では、神社に七五三のおまいりに行く予定でした。園長先生は私のことをちょっと心配しましたが、一緒に行くことにしました。私は神道などを崇拝していませんし、キリスト教でもないし、そういう行事を宗教的に思っていません。社会的な行事として参加しました。日本では行事の形は決まっていますが、その意味はそんなに決まっていません。いわゆる、自分でも決められます。私は神社でおまいりするとき、自分が決めた理由でしますから、お参りしてもかまいません。地元(ケベック州)でも同じことができるならば、昔から伝わった行事や最近生まれた行事、そして向こうから来た行事まで、何でも祝えるようになりませんか?」

 私のそばに日本人ががいて、その人と一緒に電車で帰ったとき、「前に行事に関することについて話したことがよくわかります。私自身には当たり前なので、気づいていませんでした」と語りました。

 先に述べたクリスマスの由来のように、行事にはいろんな意味がついているのでしょう。私がわかったのは、祝日はある理由で「みんなが集まる」ということです。そしてみんなが集まったとき、何かを祝います。でもいろんな意味があるし、意味が変わることもあるし、自分で決められます。集まりさえすれば、行事の意味については自分で決めることがよろしいと思います。

 私にとってのクリスマスは、「キリストの誕生」の祝いではなく、「家族と一緒の生活」の祝いです。……でも私の一番好きな祝日は、10月31日の「Halloween」ですね。

 富山市で通訳をしたときの様子。眼鏡をかけた私は、映画「マトリックス」に出てくる悪い人(エージェント・スミス)みたいだと、同僚に言われました。もしくはSPだとか。通訳者のSP!?

(2012年12月 COLARE TIMES 掲載)



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