Vol.43

2007年1月〜2月 フランス小都市ツアー(3)


 若者の暴動で Cergy の L'Apostrophe scene nationale 劇場が焼失してしまったため、急遽 Bezons の Theatre Paul Eluard で「HIBIKI」を上演することになったのですが、劇場図面だけ見ていると不可能な感じです。ホテルにチェックインするとすぐに劇場に打合せに行きました。プロセニアム部分には物を吊れるような所はありません。しかし普通の劇場と違い構造物の鉄骨が剥き出しになっています。舞台上のスノコから客席上のシーリングライトまで5mほどのパイプを渡して、滑車を仕込み水滴用器具を吊り込みました。舞台奧の壁に図面にはないドアが付いていて、裏の通路で上手と下手を行き来できます。壁ギリギリにホリゾント幕を仮設して奥行きを稼ぎました。狭い劇場ならではの図面には書ききれない細かな工夫がたくさんあって、いろいろな問題が解決していきました。今日はレストランでクスクスを食べることにしました。竹内はパリのうどん屋まで酒を飲みに出かけました。
 1月30日、朝から仕込み、午後からダンサーの松尾を連れてパリ郊外の倉庫に舞台装置の様子を見に行きました。去年のパリ公演後、誤って多くの物を日本に送り返してしまったようです。4月のコロンビア公演用にパッキングしなければならないのですが、多くの物が太平洋の船の上です。何とかなるでしょう。
 1月31日、2月1日、「HIBIKI」公演。公演1時間前に開演を30分遅らせたいと主催者から連絡がありました。本来の劇場から観客をバスで運んでくるそうです。劇場が変更になっていることを知らずに来る観客が大勢いるそうです。
 2月2日昼12時、バスで150km離れた Dieppe へ移動。フランス北西部ノルマンディーの港町です。ものすごく大きな鉄の跳ね橋が運河に架かっています。今回のツアーで一番舞台が狭い劇場です。舞台裏も狭く、装置を搬入するのも大変です。しかしずっと狭い劇場が続いて慣れたのでしょう。いろんなやり方を見つけました。
 打ち合わせをすませ、みんなで地元料理の小さなレストランに行きました。とっても美味しかったのですが、ホタテ貝の料理を食べていたら歯に何か引っかかります。魚を食べたわけではないので骨が引っかかるのは変だと思い、トイレで鏡を見てみると、なんと先日治療したばかりのプラスチックの歯が割れているではありませんか。帰国するまで痛くならないよう、そっとしておくことにしました。
 翌朝起きるととても喉が痛かったので、仕事は休みにしました。昨日劇場で打ち合わせした段階で問題は全部解決しているので、疲れが出たのでしょう。1月末までに会社の確定申告をしなければいけないので、ずっと会計事務所とメールの遣り取りをしていました。それが済んだと思ったら歯が欠けたのでショックだったのでしょう。気持ちは張っているのですが、体がついていきません。
 2月4日、「UNETSU」公演。公演中写真を撮る観客がずいぶんいました。日本からの観光客だと言うことが翌日判明。午前11時、バスで次の公演地 Brieuc に向かいました。


(2007年12月 COLARE TIMES 掲載)




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