Vol.42

2007年1月 フランス小都市ツアー(2)


 1月26日木曜日朝11時、BOURGES(ブルジュ)の Hotel d'Angleterre Best Western INN からバスに乗って67km離れた NEVERS(ヌベール)の劇場へ向かいました。午後2時、劇場でテクニカルミーティングがありましたが、仕込みは明日からです。
 この町はフランスのほぼ中央にあり、少し高地になっています。夕方から氷の結晶の様な細かい雪が降り始め、気温が下がりました。窓の外にワインや醤油を出しておいたのですが、凍ってしまうと困るので部屋の中に取り込みました。今日の晩ご飯は小アジの炊き込みご飯と味噌汁、それに青物野菜。風呂から上がる頃に出来上がる様に下ごしらえして、ご飯を蒸らしている間に風呂に入りました。
 夜が明けると一面真っ白に雪が積もっていました。朝8時から劇場で仕事ですが、搬入口がとても寒かった。ホテルと劇場の楽屋口は歩いて2分と近いので、午後からホテルで事務仕事をしました。ホテルの窓から川原が見えるのですが、雪の中を犬を連れて散歩している人が大勢います。犬は寒くなさそうですが、足の裏が冷たくならないのかな。去年の夏から飼い始めた犬のゲンキのことを思いました。外で飼っているのですが、初めての冬です。

 1月28日、この劇場は「うねつ」の舞台が普通に収まる大きさがあったので、特に問題なく上演出来ました。
 29日朝8時半、ホテルからミニバスに乗ってヌベール駅へ移動。道路も駅のホームも雪が積もっていてキャスター付きのバックは橇の様な状態です。ここから電車でパリのリヨン駅に行き、バスに乗り換えて BEZONS(ブゾン)に移動します。本来セルジーと言う町で公演する予定だったのですが、昨年末、若者たちの一連の暴動騒ぎの時に放火されて使えなくなってしまったそうです。一時巨大なテントを立てて舞台を作る計画だったのですが、許可が下りるのに時間が掛かり間に合いませんでした。そこでセルジーの担当者は車で30分ぐらい離れた場所にある THEATRE PAUL ELUARD DE BEZONS と言う劇場を借りて自分たちの劇場から機材を持ち込み、主催事業を続けている状態です。私がこの劇場の白図面をエージェントから渡されたのはこのツアーの最初の都市 ARCACHON でした。
 むむ! ステージの奥行きがなく舞台装置が入りきらない。プロセニアムに美術バトンがなく吊り物が吊れない。奧が一面の壁で上手下手を行き来する動線がない。……アレンジ出来るものは劇場に合わせ、どうにもならない物は「ここにものを吊りたい!」「ここを通り抜けたい!」と希望を述べて図面を渡したままになっているのです。
 午前11時過ぎにパリのリヨン駅に到着し、そこから大型バスでブゾンに向かいましたが、途中他の車と接触事故を起こして、少し時間が掛かりました。町には二つ星クラスのホテル CONFORT INN が一軒あるだけです。部屋には電気のコンセントが壁の高いところ、テレビ用が1個しかなく、最初はそこに電気がきていませんでした。トイレの明かりの横にコンセントが付いているのを見つけ、それを使いました。これからの困難を暗示しているようでわくわくします。決まり切ったことをするだけよりは闘志が湧いてきて楽しめるからですが、できる限りレベルの高い舞台を作らなければいけません。チェックイン後、すぐテクニカルミーティングのため劇場に向かいました。


(2007年10月 COLARE TIMES 掲載)




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