Vol.34

2005年1月 台北・国家戯劇院


 10年ぶりに台湾公演です。何度か話はあったのですが、大地震やサーズの流行で取りやめになっていました。昨秋急遽公演が決まり、今まで2度公演したことがある国家戯劇院で「ひびき」を上演することになりました。
 劇場図面はインターネットのホームページからダウンロードしたのですが、Auto CAD というキャドソフトで書いてあります。以前キャンペーン価格で Auto CAD LT を購入したのですが、とても難しく独学では使えるようになりませんでした。しかし今回は何とかしなければなりません。本を数冊買ってきて勉強を始め少しずつ使えるようになりました。しかし他のスタッフはこのソフトを持っていません。パソコンの環境も違いデータのやりとりも難しいので再加工することはあきらめて、アクロバットというソフトを買ってきて PDF にすることにしました。
 劇場の疑問点を主催者に問い合わせていたのですが、返事がありません。いろいろ気になることがあるのですが返事がないため、一方的に情報を送りつけていたところ、12月に北九州市で行う公演に報道関係者と技術者を連れて見に来ると連絡がありました。公演2日目の朝、劇場で打ち合わせをして、疑問点や要求物品の確認をしました。後は現場での対応次第です。
 1月18日昼過ぎ、台北のホテルにチェックイン、午後6時からホテルロビーで技術打ち合わせをしました。主催者と契約した舞台技術の会社から来たテクニカルマネージャー、照明、音響、送迎のアテンド、プロダクションマネージャーの人たちです。みんな若くて感じのいい人たちです。技術的な問題はほとんどなかったのですが、船荷の中のコーヒーが問題でまだ通関が終わっていないとのこと。荷物は全部日本に持ち帰るので、関税が掛からないカルネ ATA という書類を作って、一時輸入輸出という手続きを取るのですが、消耗品が入っていてはいけません。全部持ち帰らなければいけないのです。北九州で使ったものが前部入っているので、楽屋用のコーヒーセットが混載されています。コーヒー豆は使わないでちゃんと持ち帰ると約束し、明日の昼には劇場に運んで貰うことになりました。午前中の仕事を無くすると、劇場使用料や人件費が大幅に浮くというので明日の仕事は午後からにしました。夜は主催者と山海塾メンバーで会食となりました。台湾料理は本当に美味しいと思います。紹興酒もとても美味しい。料金も安い。公演抜きで来たいものです。仕込みが午後からになったので12時間も寝ました。神様が休みなさいと言っているのだなと、通関が遅れたことに感謝しました。
 劇場ではまず搬入です。搬入用のエレベーターで少しずつ運んでいると、小屋付きのスタッフが舞台の床全面を奈落に沈め、搬入口のレベルと合わせてくれました。一気に搬入できたのですが、前回まではこんな事知らなかったな。仕込み始める前に舞台に残っている釘の頭や、切り穴の溝を気にしていると、奥舞台に置いてある回り舞台を本舞台の上に移動させて、レベルを合わせて沈めてくれました。こちらの方が表面がきれいなのです。外注スタッフと劇場スタッフの関係がとても良いようです。食事は近くの食堂に食べに行きましたが、言葉が通じないので漢字で書いてあるメニューを指さしたり、他の人が食べている現物を指さして注文しました。アルコール類は置いてないのですが、コンビニやたばこ屋で買って持ち込みます。北九州の屋台も同じ方式だったなと思い出しました。夜はナイトマーケットと呼ばれる商店街で食事をしましたが、フットマッサージの店が何軒かあり好評でした。
 1月21・22・23日、「ひびき」上演。観客1800人。終演後撤去搬出、直接コンテナーに積み込み終了。現地スタッフが一緒に食事をしようと誘ってくれ、ホテルからそう遠くないレストランを予約してくれました。主催者も別のレストランに招待してくれたので、私は代表の天児と制作の秋山と3人でそちらに行くことにしました。私たちがホテルに帰ってからも他のメンバーは深夜まで帰ってきませんでした。

(2005年08月 COLARE TIMES 掲載)




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