Vol.18

高知〜ソウル公演


 オペラの公演で時間を取られ、2月末から山海塾のメンバーが全員揃うことがなかったのですが、4ヶ月ぶりに高知で会いました。 今年の春に高知市文化プラザかるポートがオープンし、そのこけら落としの一環で2年前から予定していた公演です。メンバーの一人が高知出身という事もあって、今までにいろいろ交流があります。6月27日から仕込み始めて、29日18:00「かげみ」開演です。劇場がまだ新しいということと山海塾の最新作ということで、2日間の仕込みと二人多くスタッフを連れて行きました。「かげみ」は100本のプラスチック製蓮の葉を舞台上で上下させます。美術バトン、照明バトン、反響板、常設松葉目などが天井でどの様な関係になっているか、それによっては仮設バトンを仕込み、手引きの仮設綱元を用意します。ここの機構は三菱重工の新しい設備が入っています。バトンは電動ですが、一本一本に綱元があり、人が綱を引くとセンサーが感知して電力で動作するという初めて見るものでした。話に聞いたこともありません。不利なことはいくつもありますが何が利点なのか判りません。きっととっても便利な局面が有るに違いない。というわけで近代的な劇場にも関わらず、4本の仮設バトンと綱元、5人の本番付き大道具が必要でした。客席はかなり贅沢な感じの作りで特に音の響きはPA機材も含めて申し分有りません。音楽や芝居向きのホールなのかもしれません。しかしそれはハードの部分で高知は舞踏に対する客層はかなり広く、また活動も活発です。かるポートというのはカルチャーポート、文化の港という意味だそうです。6月29日の本番日は雨になりましたが、600人ほどの観客が来てくれました。
 翌日はソウルに移動です。朝9:15、高知空港から伊丹空港へ、そこから大型タクシー2台で関西国際空港へ移動し、アシアナ航空でソウルのインチョン空港へ向かいました。ところが空港に迎えに来ているはずなのに誰もいません。ワールドカップの決勝戦の日なので忘れちゃったのかな〜。1時間ほどあっちこっち電話したり、空港の館内放送で呼び出したりした結果、時間通り迎えに来ていた、たぶんボランティアの女性達と遭遇することが出来ました。ホテルに荷物を入れてすぐ劇場に向かい仕込みです。以前に公演したことがある中央日報の本社ビルの中にある劇場で、客席はきれいなのですが舞台は講演会かコンサートをするような構造ですので、仕込みに非常に苦労します。劇場付きの担当者によってやりやすさがずいぶん変わります。日本語が分かる人もいますのでヨーロッパのように大声で内緒話も出来ません。主催者がホールを持たず、貸し小屋で公演する場合、小屋付きさんは出来るだけホールを傷めないよう努力するので非常にやりづらくなります。主催者側のテクニカルディレクターも若かったので小屋付きさんに押されっぱなしです。それでも懸命に仕事をしているとだんだんうち解けてきて、好意的になってきました。そこを逃さず実はこういうこともしたいのだが技術的に可能だろうかと相談を持ちかけます。難しそうな顔をしながらも「任せて置け」という事になると仕込みは終わったようなものです。
 6月30日、7月1日と仕込み、公演は7月2・3日です。2日はワールドカップの選手達のパレードと大統領の演説が公演時間と重なり、観客は100人ぐらいと非常に少なかったのですが、3日は600人ほど入りました。毎日韓国料理とマッカリやジンロという酒を飲んでいましたが、これが非常においしく、公演日は舞台が終わった後しか食べられないので、スタッフがうらやましく思えました。韓国は仕事ではなく遊びで行きたいものです。
(2002年09月 COLARE TIMES 掲載)



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