ラレコ山への道 小野木豊昭 古典空間への誘い

【其の四拾壱】いと面白し、沖縄発 三弦三昧!

2006年6月

 「おもしろし」という言葉があります。もちろん今の「おもしろい!」のモトになった言葉。古語辞典を引いてみると、「『おも』は『面〔顔〕』、『しろし』は『白い・明るくはっきりしている』の意。明るい景色などが目の前にパッと開け、心がはればれする、が本来の意味で、音楽や遊宴などが楽しい・知的興味をひいて興味深い、の意」(『古語林』大修館書店)とあります。私たちが携わるステージからは常に「おもしろし」を体感していただきたいものです。

 「沖縄発 三弦三昧」……五本指を駆使した驚愕のトレモロ奏法、その超絶技巧と高い音楽性で並ぶもののない中国三弦の名手・費堅蓉(フェイ・ジェンロン)の演奏で開幕。中国でも数少ない三弦プレーヤーとして高い評価を得ている彼女の演奏に初めて触れたのは赤坂の小さなライブハウス。見事に融合したテクニックと音楽性、そして美しい容姿と滲み出るチャーミングな人柄の虜(とりこ)になった事を忘れることができません。コラーレでも演奏される彼女自作の三弦独奏曲「辺寨之夜(へんさいのよる)」は、中国文部省が10年に1度開催する第3回全国作曲コンクールで1等賞を獲得し、三弦の演奏法に革新をもたらした中国音楽史上に残る名曲とされています。

沖縄発 三弦三昧のステージの様子
 島唄(民謡)や琉球舞踊の伴奏楽器として欠くことのできない三線(さんしん)。この楽器を単なる伴奏楽器から“自己主張”するソロ楽器としてフューチャーしたのが新良幸人(あら・ゆきと)なのです。彼のプレイを観聴きするや否や、三線の持つ楽器としての可能性を強烈に感じました。彼こそこの企画の最高のメンバーであると確信したのです。石垣島で生まれ育ち、とことん身体に染み付けた島の音楽を「今」の音楽としてイキイキと蘇らせている……古臭さをまったく感じない彼のうたと三線、そしてその存在感に心をワシ掴みにされることでしょう。長年の相方サンデーの島太鼓が彼を支えます。競演するのは昨年度の文化庁芸術祭新人賞を受賞した琉球舞踊の旗手・志田真木(しだ・まき)。南国の満点の星空をイメージさせるステージで展開されるコラボレーションは美しさと心地好さの極みです。

沖縄発 三弦三昧のステージの様子
 そして、今年3月の「クラシックのエントランス」でコラーレに初登場した津軽三味線ユニットのあんみ通。
 中国→沖縄(琉球)→日本(大和)と伝わり、さまざまな進化を遂げて明治期にカタチ作られた最も新しい三味線である津軽三味線。そのルーツにあたる三線と中国三弦に、ステージ上で向かい合うことに大きな価値観を抱きつつ再訪を心底楽しみにしているのです。

 文化の系譜を体現する三種類の三弦の楽器がリレー形式でおくるコンサート。ラストに全楽器で展開するセッションは圧巻です。まさに国際文化センター〔コラーレ〕の名に相応しく、「おもしろし」を追求した究極の企画として、来る7月8日、満を持しておとどけいたします。

沖縄発 三弦三昧
2006年7月8日(土) 開演19:00 コラーレ(カーターホール)

沖縄発 三弦三昧に出演される出演者の皆さん
出演:費堅蓉(中国三弦)
新良幸人(三線)
あんみ通(津軽三味線)
サンデー(鳴物)
志田真木(琉球舞踊)

(2006年06月 COLARE TIMES 掲載)

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