ラレコ山への道 小野木豊昭 古典空間への誘い

【其の参拾参】未来への潮流 Part.1

2005年1月

JASRAC コンサート in 沖縄 <未来への潮流>
 新年明けましておめでとうございます。本年も皆様のお力添えを賜りながら、伝統と現代の接点を模索しつつ、イキイキとした劇場・舞台空間を創り出して行くべく頑張ってまいります。どうぞよろしくお願い致します。

 しかし、このところの暖かさ。とくに昨夏は灼熱の東京から那覇空港に降り立ったとき「なんてスガスガシイ暑さだろう!」と感じました。東京から沖縄に避暑に来る……実に妙なことになっていますが、その地球規模の環境的背景を思うと凍りつくほど寒くはなります。

 2001年4月、初めて沖縄の地を訪れて以来40数回。考えてみれば一度もプライベートで足を運んだことがないのに、今ではもう自分の町のような錯覚さえ覚える那覇やコザ(沖縄市)、それに名護を加えて、昨年12月に大きな話題を呼んだ公演を行いました。

 「JASRAC コンサート in 沖縄 <未来への潮流> ~琉球と大和の伝統が奏でる新たなる鼓動~」。社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が、音楽著作権の認知と普及を目的に全国で展開している文化事業の一環として行われたコンサートです。最近ではモンゴル800や ORANGE RENGE を輩出し「歌の島、芸能の島」といわれる沖縄。その音楽的伝承と更なる発展のために音楽著作権と向かい合うことは不可欠の要素だと考えられます。昨年9月にこの公演プロデュースのご依頼を受けてから、準備のために度々の渡沖。これだけ通信機能が進歩してもやっぱり仕事は“face to face”が大切であることを痛感します。名護市、沖縄市、那覇市との共催、各自治体の皆さんとの共同作業で制作が進められました。

お月様が見守る中、一組の男女が出会い、愛を育みそして成就するというストーリーが繰り広げられる
 琉球と大和は様々な歴史の糸で結ばれています。政治・経済のみならず、「三線」が「三味線」と展開をとげたように、音楽をはじめとする文化交流も行われてきました。今回は、伝統的な音楽を現代というフィルターを通して表現している沖縄と日本のトップアーティストたちが、海を越え、ジャンルを超えて、未来を視座に据えた新しい音楽と文化シーンの創造を目指すことが着地点。その背景に著作権の存在と意義を実感していただくことが企画意図でした。薩摩琵琶の坂田美子を中心とするビカム、現代沖縄音楽を代表するアーティスト新良幸人が今回のために結成したスペシャルユニット、そして志田真木を中心とする琉球舞踊チーム。演出は琉球舞踊の第一人者・志田房子師。お月様が見守る中、一組の男女が出会い、愛を育みそして成就するというストーリーが、両ユニットの奏でる素晴らしい音楽によって展開されるという構成。題して「月の下君を想う」。邦楽器と洋楽器、ジャンルの異なる邦楽器同士等、昨今流行のコラボレーションですが、演奏に関する技術力さえあれば擦り合わせは容易です。しかしミュージシャン同士がお互いに刺激を与え合い、新たな音楽づくりにつながり、しかも聴き手にはエンターテインメントとして楽しんでいただける。そんな意味のあるコラボレーションはなかなか実現しないものですが、今回は、文化的背景の異なる大和と琉球の音楽と舞踊が、時には火花を散らしつつも、実に心地よい緊張感に満ちたイキイキとしたステージを創り上げて下さいました。

 新たな年、伝統の新たなる展開に向って大きなステップを踏み出したいものです。

お月様が見守る中、一組の男女が出会い、愛を育みそして成就するというストーリーが繰り広げられる
(2005年01月 COLARE TIMES 掲載)

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