ラレコ山への道 小野木豊昭 古典空間への誘い

【其の弐】梅も咲いたし桜も咲いた、藤の花まで咲いちゃった。……満開のコラーレによせて。

1998年5月
 「絶景かな、絶景かな。春の眺めに価千金とは小せい小せい、この五右衛門には価万両。もはや日も西に傾き花の眺めもまたひとしお、ハテうららかな眺めじゃなぁ!」とは、『楼門五三桐』という芝居のなかで、京都は南禅寺山門で悠然とタバコをくゆらせつつあの石川五右衛門が満開の桜を称える名セリフ(宴会の一発芸はこれで決まり。よくやらされるんだなぁこれが)。日本では平安時代以降、花といえば“桜”をさすようになったわけですが、歌舞伎でも舞台一面 満開の桜の前で展開される芝居や踊りが何と多いことか! 『義経千本桜』や『祇園祭礼信仰記』という芝居では、これでもか、というほどの桜吹雪を舞い散らせる演出があります。モー恍惚となります……そんな舞台を思い起こさせる季節になりましたが、東京では先日の雨でソメイヨシノも散り、八重桜が待ち遠しい今日この頃です。

 ところで、先月14日、コラーレに季節外れの藤の花が満開になりました。そうです、カーターホールでの『素敵に歌舞伎』。公演の折は、賑々しく御来場賜り誠に有り難うございました。舞台袖から皆様の楽しんで下さっているお姿を拝見し、本当に嬉しく思いました。「楽屋風景」では隈取りコーナーに果 敢に挑戦してくれた高校生・坂野君、「ドキドキワクワクするする舞台空間を、古典芸能の世界で心から楽しんでいただきたい」という企画をより盛り上げてくれました。本当にありがとう(実は“サクラ”も考えていたんですよ)。

 さて、前回「普段の生活の中でフツーに使われるようになった歌舞伎独特の言葉をご紹介しましょう」とお約束しましたね。それでは、第1弾!




「この企みはアイツの差し金だな!」  差し金とは、歌舞伎の舞台で蝶々や鳥やネズミなんかの小動物を黒塗りの細い竹竿の先に付けて黒衣さんが後方から遠隔操作し、その弾力で働いているように見せる小道具なんです。今では針金を使用したものが多いようです。蝶々なんかは本当に飛んでいるように見えます。……きっと歌舞伎が生活の一部としての娯楽だった時代に、普段の生活に溶け込んだ言葉なのでしょう。




 さて、次回は第2弾! 乞うご期待!

(1998年05月 COLARE TIMES 掲載)
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