ラレコ山への道 小野木豊昭 古典空間への誘い

【其の壱】古典空間への誘い

1998年1月

 コラーレ・ファンの皆さま、こんにちは。私は日本の伝統芸能の企画・制作・プロデュースを手掛けている[古典空間]の小野木豊昭です。これから隔月でこのコーナーに登場しますので、どうぞお見知りおきの程よろしくお願いいたします。
 さて、来る3月14日、コラーレのカーターホールで行われる「素敵に歌舞伎~これであなたも歌舞伎通 !~」に乞うご期待!なのです。若手女形ホープ・中村京蔵と、いぶし銀の芸“幻の噺家”三遊亭圓彌の繰り広げる“歌舞伎ライヴ”です。映画あり、舞台を歌舞伎座の楽屋に見立てての化粧着付け実演(お客様への大サービスがあるかもしれません!?)あり、落語一席あり、そして本格的な歌舞伎舞踊……全く初めての方にも、もちろん通 の方にも楽しんでいただける盛り沢山の内容でお目見え致します。世界に誇る日本の伝統文化、その代表である歌舞伎を、きっと大好きになっていただけるものと思います。

 ここで改めて自己紹介させていただきたいと思います。[古典空間]……少々カタイ響きに感じられる方もいらっしゃるのではないかとは思いますが、このネーミングには以下のような由来があるのです。

 叩き上げ磨き上げられた芸が、熱い思いとともにアーティストから客席に向かってぶつけられる。その“オーラ”を観客が受け止め、再びアーティストに投げ返す。舞台と客席に火華が散る。そしてそれは満ちあふれ、劇場空間を埋め尽くす。そんな劇場空間に我が身を置いていることを実感したとき……。ジャンルを問わず、ありとあらゆる人間の表現を狂ったように観聴きしまくり、心をグラグラに揺さぶられ、気が付くとなぜか元気になっている……そんな学生時代、「わかるかな? こんなカッコウで入っていいのかな?」などと迷いつつ、フラッと歌舞伎座に立ち寄ってはみたものの、言葉もストーリーもわからない。でもすっかり日本の伝統芸能、古典芸能といわれるジャンルにハマッてしまいました。そしてそれは決して一過性のものではなく、いつまでも心のグラグラは続いたのです。いつしか、そんな劇場空間を古典芸能の世界で、自分の手で創り出してみたい……そんな思いが[古典空間]の設立につながったのです。神の導きか、はたまた運命の悪戯か……。

 次回は、お芝居の世界から生活に溶け込んでいった様々な言葉をご紹介しつつ、皆様を歌舞伎の世界にお誘いしましょう。今後とも[古典空間]を御贔屓お引き立ての程、偏に乞い願い上げ奉りまする!

(1998年01月 COLARE TIMES 掲載)

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